チャールズ・エリス「敗者のゲーム」を読みました。
アウトプットとしてまとめて書評?を書きたいと思います。
株式投資は敗者のゲームとなった
敗者のゲームとは何を意味するのでしょうか?
それは参加者の殆どが能力にほとんど差のないプロばかりになってしまっていて、好判断が相対的に好判断でなくなり、ミスをした側が負けるというゲームです。
株式市場も機関投資家が9割を占めるようになっており、同様の事が起きています。
その中に素人である個人投資家が参加して勝てるとは考えづらいというのがこの本の根底にある考え方でした。
投資をする際には、投資目的をはっきりさせる
そして、同時に投資においては「勝ち」というのはたった一つしかないものではありません。
投資をゲームと考えている層は他人に勝つことが目標だと思いますが、それ以外の人はなにかのためにお金を増やしたくて投資を行っているはずです。
それぞれ目的が違うなら、目標も異なり、勝利条件も異なります。
自分の投資における目的をきちんと認識し、それを達成できたなら投資家としては成功であり、勝利と言えるでしょう。
繰り返しますが市場に勝つことが投資の目的ではありません。
そのためにも投資を始める前に自分が何を目指しているのかを認識し言語化することが必要です。
ETFのように市場全体にベットする商品がおすすめ
最初に言ったように、投資は敗者のゲームとなりました。継続して市場平均以上のリターンを出せる投資家は機関投資家にもほとんどいません。
ならば市場平均にかけることが投資対象としては最適ではないでしょうか。
データとして、米国市場においてはS&P500に投資した場合、17年以上保持し続けてマイナスになったことはないと言うデータがあります。
グラフは1802年~2012年の期間の、保有期間別の実質利回り(最高値と最低値)を示しています。株式は長く持つことによってリスクを減らせます。
クソ株を掴んでしまったらどれだけ待っても株価は上がりませんが、市場全体に投資し長期に渡って保持し続けることで、元本割れというリスクはほぼなくなります。
これらの理由から個人投資家にはETFがおすすめだと書いています。
自分が取れるリスクを認識する
さらに、自分がどの程度のリスクを取れるかを認識することが重要です。
暴落時にも株を持ち続けることができるレベルのリスクしか取るべきではありません。
なぜなら株を手放すことさえなければ、17年以上持ち続けるだけでマイナスになることはなかったからです。
「目的のために大きいリスクを取る必要がなく、リスクを軽減したい投資家は、リスクが減るのならそれを受け入れ、他人が大きくリスクを受けてより高い収益絵率を得ても羨ましがらないだろう」
目的は自分の目標を達成することであり、他人との比較は必要ありません。
最後に
ここまで繰り返されてきたとおり、投資では自分の目的を達成できればそれで勝ちだと言えます。
投資によるリターンは、リスクを受け持つ見返りです。
リターンの最適化と最大化を混同しないようにするべきです。
リターンの最大化を目指すということはつまりリスクも青天井に増加していくということであり、最後は太陽を目指したイカロスのように自滅が待っているでしょう。
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